☆銀しゃ~りんです。☆

果てしないたわごとをつらつらと

ショートストーリー

【狐のお社~湖~】

〜とある湖の前〜腱『…ここにヤマガミ様がいるの?』 狐『そのはずなんじゃが…ケン!中入って見てきてくれるか?』 腱『………僕、泳げないよ?それよりコン吉が見に行けばいいじゃん!』 狐『その呼び名はやめろと言うとろうに…仕方ないのう…』 コン吉が飛び込…

【狐のお社~雲~】

チュンチュンふわふわサーーーゴロゴロカァーカァーゴーーンハラハラキーーン 空を見る生活になり、一体どのくらいの季節が過ぎただろう。 花咲く春新緑の夏落葉の秋霜柱の冬 それらを感じる事はなくなった。 どんよりとした雲が多くなり薄くのびる雲から何…

【風景】

『あー、また来ちまった…』 幾度となく訪れている地ではあるが、何度も訪れてしまう道がある。何も考えずに走っているといつの間にかここにいる。 何かに導かれている? そんな特別な事情や力など私にはない。ただ、なんとなく、この道が好きなのかもしれな…

【しだれ花火】

ヒュー……ドーン!パラパラパラパラ… 「綺麗だねー」『だねー』「…」『なんで綺麗なんだろ』「なんでだろ」 ヒュー……ドーン!パラパラパラパラ… 「…」『知ってる?ハナビって火でてきてるんだよ?』「知ってるよ。」『そっかー』「火の花って漢字で書くじゃん…

【アム1】

日が沈む太陽はこの国での役目を終えて、また次の国を照らしに行く。 夜が来る色とりどりの草花も、人も車も、素晴らしい景色も、均等に闇夜に染め上げる。わずかな月明かりは、淡い光でかろうじて色を魅せる。 日が昇る太陽はこの国での役目を果たしに顔を…

【御神木はまた廻り】

よく晴れた日の午後。二階の窓から見下ろす景色はいつものように穏やかで、それでいて騒がしかった。丁度自宅の二階の窓と同じ高さにあるように見える、街の向こうの丘の上の木の下に誰かいるような気がした。なぜか気になった僕は、天気もよかったので、丘…

【サクラの下には何がある】

季節は春。だが、まだ肌寒い春。テレビからは桜の開花や、お花見の情報が流れてきている。私が住んでいる街からほど近い位置に桜の名所があるのだが、先日行った時にはまだ蕾だった。こちらではまだまだ残雪があり、寒さに暖を取る日々が続いていた。 数日後…

【その先に】

空を眺めて見た。雲ひとつない晴天だと思ったんだ。ビルの谷間を抜けて辺りが見回せる橋の上に辿り着いた。川の向こう、ビルの隙間の向こう、晴天の向こうにはどす黒い雲が広がっていた。どす黒い雲の塊は僕が住む町へと向かって来てるようだった。 僕「ひと…

【思ひ】【掟】

【思ひ】色々思う所のある方が多いようで。 冬がようやく終わりを迎え、春が目覚め始める。 春といううわついた気分に中毒られて、心狂わす人も多いかと思う。 花が咲き誇り、動物達も目を覚まし、山や海が動きだす。 街角にある桜の木 あれはもう長いことこ…

【食欲】

『今朝食べた生卵かなぁ…いたたた…早くトイレ探さないと…』 普段と変わらぬ日常。日課の卵かけご飯を食べて、出社する途中だった。 ただいつもと違ったのは、日課で寄ってるお店でいつも買っていた卵が売り切れていて、普段通らない道に自動販売機の卵が売っ…

【うつしかがみ】

ふと見上げると桜の花の隙間から、うっすらと雲に隠れた月が見えた。月は時折主張しながらも、雲に隠れて存在をぼやかす。 桜を見上げながらまた月を探す。花吹雪の中にぼやけた月を見つけた。しばらく眺めていると、桜吹雪が舞い上がり、何かきこえてくる。…