☆銀しゃ~りんです。☆

果てしないたわごとをつらつらと

【しだれ花火】

ヒュー……ドーン!
パラパラパラパラ…

「綺麗だねー」
『だねー』
「…」
『なんで綺麗なんだろ』
「なんでだろ」

ヒュー……ドーン!
パラパラパラパラ…

「…」
『知ってる?ハナビって火でてきてるんだよ?』
「知ってるよ。」
『そっかー』
「火の花って漢字で書くじゃん。」
『…』
「…」
『ほんとだー』
「でしょー?」

ヒュー……ドーン!
パラパラパラパラ…

『火の花かー』
「綺麗だねー」
『怖いねー』
「なんで?」
『だって熱いもん』
「そっかー」
『でしょー?』
「だねー」

ヒュー…ヒュー…ヒュー…
ドドド!パラパラパラパラパラパラパラパラ…

「でも綺麗だねー」
『だねー』
「…」
『なんで色つくんだろ』
「わかんない」
『だよねー』
「うん」

ヒュー…

「お腹すいたー」
『すいたねー』

ドーーーン!!!!

「おぉー!」
『おぉー!』
「今の綺麗だったねー」
『おっきかった』
「菊って言うんだって」
『そうなんだ』
「うん」
『…』
「菊って花だよー」
『知ってるよ』
「だよねー」
『うん』

ざわざわ…

「もう終わりかなー」
『かもねー』
「帰る?」
『お腹すいたー』
「焼きそば食べたい」
お好み焼きがいー』
「買いにいこっかー」
『だねー』

てくてく…

お好み焼きと焼きそばくださーい』
「あいよー!姉弟かい?仲良く食べるんだよ!おまけにサイダー二本あげるから!」
『ありがとうございまーす』

『へへー』
「サイダーもらったねー」
『うん、もらったー』
「さっきのとこ戻る?」
『そこのベンチで食べよっかー』
「だねー」

モグモグ…

『おいしいねー』
「おいしー」

ヒュー……ドーン!
パラパラパラパラ…

『あ!』
「あ!」

モグモグ…

『綺麗だねー』
「だねー」

ヒュー……
パラパラパラパラ

「しだれ柳…」
『ふーん』
「…」
『…』
「しだれ柳は木だよ」
『怖いねー』
「なんで?」
『お化けがでる木だよー』
「怖いねー」
『ヒュー……ドンドンドンおー化ーけーだーぞー』
「なんか怖くなくなったー」
『なんで?』
「ねーちゃんがお化けなら怖くないなーって」
『そっかー』
「うん」

ヒュー……
パラパラパラパラ…

「しだれ柳…」
『花火じゃないねー』
「なんで?」
『だって木だし。』
「木火かー」
『言いにくいねー』
「花火でいっかー」
『だねー』

ヒュー………ドーン!

「ハイビスカス」
『うそだー』
「ほんとー」
『ふーん』
「…」
『…』
「ハイビスカスは沖縄の花だよー」
『そっかー』

「おーい!!花子!花太郎!そろそろ帰るぞー!」

『はーい』
「はーい」
『帰ろっかー』
「だねー」

「花火どうだった?綺麗だったろ?」

『綺麗だったー』
「うん!」

「花火って火でできてるんだぞ?」

『知ってるよー』
「うん、知ってるー」

「そっかー」

『漢字見ればわかるって花太郎が言ってたし』
「本で見たよー」

「お、すごいなー、本読む博学な弟と、それを聞いてしっかり褒めるお姉ちゃん!」

『へへー』
「にひひー」

「かぁちゃんも喜ぶぞー」
『だねー』
「だねー」
『ねぇ、とうちゃん!花火はなんで色がつくの?』
「なんでなのー?」

「…うーん、わかんないなー」

『そっかー』
「とうちゃんでも駄目かー」

「後で調べてみる!」

『うん』
「ぼくもー」

てくてく…

『あ、かぁちゃんにお土産!』
「あ!」

「あ!」

『サイダーのビー玉は駄目かなー』
「宝物ー」

「きっと喜ぶよ」

『うん』
「だねー」

てくてく…

「花子、花太郎、元気でな」

『とうちゃん、いっちゃうの?』
「…」

「もうすぐ柳の木が終わるからね。」

『…』
「…」

「また会えるさ」

『だねー』
「…」

「かぁちゃんによろしくなー!」

『バイバーイ』
「…とうちゃん」

てくてく…

『また会えるさ』
「…うん」

バタン

『ただいまー』
「…ただいま」

『おー、おかえりーどうだった花火?』

『綺麗だったー』
「うん」

『おや?花太郎、元気ないねー』

『さっきね、とうちゃんに会ったんだけど、帰っちゃったの』
「柳の下だけなんだって」
『そっかー』

「…とうちゃん」
『また会えるさ』

『ん?それとうちゃんが言ったの?』

『うん』
「うん」

『そっかー』

『あ!』
「かぁちゃんにお土産!」
『なんだい?』

『はい!ビー玉ー』
「宝物ー」

『お!これは綺麗だねー!ありがとう!でもかぁちゃんには勿体ないから、二人とも大切にもっときな?』
『え?』
「いいのー?」

『いいーよー』

『やったー』
「やったねー」

『さぁ、明日はお祭りだろ?早く寝なきゃ明日行けなくなっちゃうよ?』

『うん』
「だねー」

『…さぁて、と』

『おやすみー』
「おやすみー」

『はい、おやすみ』

そー…
てくてく…

『よう!あんた久しぶり』
「陽子!」

『一年ぶりか…』
「だねー」

『その口癖、花も太郎もうつってるよ』
「そっかー」
『それも!』
「…くっっく」
『…うふふ』
「あははは!」
『はははは!』
「…なぁ」
『いいよ』
「わかったのか?」
『やり直そっかー』
「…ぷっ」
『うふふ…』
「だねー…ぷっ」
『あははははは!』
「柳の木の境界線ができて3年か…」
『うん。』
「ごめんな、ありがとう」
『ううん、こちらこそ、意地になってごめんなさい』
「…原因がねー」
『だねー』

『帰ろっかー』
「だねー」

てくてく…

そー…

「ただいまー」
『おかえり』

『とうちゃん!』
「おかえりー!」

「うん…」
『あら、起きてたの!』

『うん、なんか太郎がとうちゃんに会える気がするって』
「ビー玉見てたらそんなに気がしたー」

『そっかー』
「そっかー」

『だねー』
「だねー」