☆銀しゃ~りんです。☆

果てしないたわごとをつらつらと

2021-04-30から1日間の記事一覧

【風景】

『あー、また来ちまった…』 幾度となく訪れている地ではあるが、何度も訪れてしまう道がある。何も考えずに走っているといつの間にかここにいる。 何かに導かれている? そんな特別な事情や力など私にはない。ただ、なんとなく、この道が好きなのかもしれな…

【しだれ花火】

ヒュー……ドーン!パラパラパラパラ… 「綺麗だねー」『だねー』「…」『なんで綺麗なんだろ』「なんでだろ」 ヒュー……ドーン!パラパラパラパラ… 「…」『知ってる?ハナビって火でてきてるんだよ?』「知ってるよ。」『そっかー』「火の花って漢字で書くじゃん…

【アム1】

日が沈む太陽はこの国での役目を終えて、また次の国を照らしに行く。 夜が来る色とりどりの草花も、人も車も、素晴らしい景色も、均等に闇夜に染め上げる。わずかな月明かりは、淡い光でかろうじて色を魅せる。 日が昇る太陽はこの国での役目を果たしに顔を…

【御神木はまた廻り】

よく晴れた日の午後。二階の窓から見下ろす景色はいつものように穏やかで、それでいて騒がしかった。丁度自宅の二階の窓と同じ高さにあるように見える、街の向こうの丘の上の木の下に誰かいるような気がした。なぜか気になった僕は、天気もよかったので、丘…

【サクラの下には何がある】

季節は春。だが、まだ肌寒い春。テレビからは桜の開花や、お花見の情報が流れてきている。私が住んでいる街からほど近い位置に桜の名所があるのだが、先日行った時にはまだ蕾だった。こちらではまだまだ残雪があり、寒さに暖を取る日々が続いていた。 数日後…

【その先に】

空を眺めて見た。雲ひとつない晴天だと思ったんだ。ビルの谷間を抜けて辺りが見回せる橋の上に辿り着いた。川の向こう、ビルの隙間の向こう、晴天の向こうにはどす黒い雲が広がっていた。どす黒い雲の塊は僕が住む町へと向かって来てるようだった。 僕「ひと…